愛し、愛されたのは優しい死神でした。


抱き締める律さんの細いけど逞しい腕に自分の手を重ねて、彼の体温を感じたら愛しい気持ちで一杯になった。

…もうこの腕に抱き締めて貰う事は無いだろう。だからせめて、もう少しだけ、貴方の温度を感じさせてください…。

『…私は…幸…せです…。幸せの…形って…それぞ…れだけど…私に…はっ充分過ぎ…る位今が…幸せ…です…♪』

出せるだけの声を振り絞り息苦しさと闘いながら今伝えたい言葉を聞いて欲しくて必死に口を動かした。