愛し、愛されたのは優しい死神でした。


彼の首に腕を回し、落ちないようにしがみ付いた。…ちょっとまだあんまり慣れないなぁ…。

「―だから私は律さんの誠意を見たいのっ!…ってちょっと?!まだ話は終わってないですよ?!!」

「それではルキさん♪失礼します♪」

にこやかな作り笑顔を浮かべて、私をしっかり担ぎ直すと元の世界に通じるゲートを開いた。

ゲートを覗いてみると黒やら赤やらの混じった空間が渦巻いている。

おまけにとてつもない引力が働いているみたいで一歩足を踏み入れたら、どこか違う異世界に飛ばされてしまうのではないかと息を飲んだ。

いくら律さんでも体が投げ出されてしまいそうで恐怖心で頭が一杯に。