愛し、愛されたのは優しい死神でした。


『…お姉様っ…?!』

私の声に気付いてこちらに振り返ると、目を見開いて驚いた様子で駆け寄ってきて私の両肩を掴んで揺らした。

「ちょっとルナっ…!なんでここに居るの?律さんや岳君は?!」

『分からない…気付いたらここに居たから…。ねぇ、お姉様ここはどこなの?』

一部始終を話すとお姉様は一瞬目を泳がせて、真っ直ぐ目を見て口を開いた。

「…ここはね、ルナ?貴方が一人で来て良い場所じゃないの…まだ来ちゃダメだよ。早く帰りなさい!」

お姉様は説得するみたいに真っ直ぐ私の目を見てこう言ったけど…私にはどうする事も出来なくて弱音を吐いた。