愛し、愛されたのは優しい死神でした。


心地好い風も吹いて、どこからともなく花の良い香りが風に乗って運ばれてくるみたい。

見た事も無い位綺麗で感動するけど…なんだかここに居ちゃいけない気がする。

―どうして私こんな所に居るんだろう?ここは自分が住んでる世界じゃない…。

『…誰も居ないのかな…?』

私一人でこんな所に来れる訳ない。これは夢の中なのかな?でも…何かがおかしい。
どこかに人が居るか確認しよう。

『探さなきゃ…』

そう思い立ち、辺りを見回しながらそこら中を歩き回るみる。…しかしいつまで経っても誰の気配も感じられない。