愛し、愛されたのは優しい死神でした。


片腕は肩に回りもう片腕は足をかかえてベッドへと移動していく。
ベッドに辿り着くと静かに下ろしてくれた。

その際に彼は意地悪な笑みを浮かべて…

「クス…顔、近いですね」

『っ……すみませんっ』

確かに近い……いつもの私ならきっと猛ダッシュで逃げるか突き飛ばすかしてるだろう。

しかし今は体が全く動かなくて,彼の目を見詰めるしかなかった―。