愛し、愛されたのは優しい死神でした。


また泣いてしまった。それ程までに恐かったから。

「すみません,なるべく早く浄化してあげたくて少々無茶をさせてしまいました…」

バツが悪そうに笑いながら彼はまた私を抱き締めてくれた。

『…1人に…しないでっ…』

「っ…もちろん1人にしません…今夜は私もここに居ますから」

耳元で囁く彼の声が胸に響いて何とも言えない想いが溢れた。