愛し、愛されたのは優しい死神でした。


『お詫びなんて要らないです!…助けてくれて嬉しかったし…何も―』

「貴方がこんなに震えてるのは私のせいです…!危ない目にも合わせてしまった…」

律さんの手が微かに震えてる…悔しそうな声が漏れる度に私もどうしたら良いか解らなくなって律さんの手をそっと包んだ。そして…

『律さんが来てくれたから私はもう大丈夫です…律さんがちゃんと守ってくれたから…だから…』

"ありがとう"とお礼を言おうと口を開いた時、一瞬息苦しさが私を襲った。

なぜなら―

「…大丈夫だったらこんなに震えないですよ…強がりですね…」

強く…抱き締められたから―。ちょっと強引だけどそれはほんの一瞬で,腕の中に包まれると力を緩めてくれた。