愛し、愛されたのは優しい死神でした。

 
『…っ…ぅん…』

包丁を洗う岳さんの横顔は険しくも、どこか悲し気に見えて後ろめたい気持ちになる。

包丁を洗い終わって向き合った時にはいつもの彼のにこやかな笑顔だった。

「―ルナ,ちょっと外出よっか☆」

『…え…』

「この屋敷の庭とか見てみたいんだ☆ルナも少しは体動かした方がいいよ?お日様浴びないとさ元気出ないじゃん♪」