「いや、来なくて良いから」


「まぁまぁそう言わずに。腕、疲れたでしょう?」


そう気安く声を掛けてきたのは私の担当医の新米カウンセラー。


もとい月代洸谷……先生。


先日、あろうことかこんな胡散臭い奴の前で号泣するなどと言う醜態を晒してしまったため、私は大変居心地が悪い。


「……一人で行ける」


「良いじゃないですか。一人より二人の方が楽しいでしょう?」