鬱陶しい。


私はムクリと気だるい体を起こし、瀬戸さんを見遣る。


すると瀬戸さんはニコッ、と笑って、言う。


「おはよう、沙羅ちゃん♪」


「…………おはようございます……」


挨拶なんてされたくないし、返したくもないけど、返さないとしつこいことを私は既に知っていた。


だから渋々答える。