もうすぐ三十路とはいえ、一応、私はまだ二十代なんだけど。
お母さん、そんな年上を見合い相手に選んだなんて、それはないでしょ。
後で文句を言わなくちゃ。
「本題に戻るけど、お前が見合いするのが本当なんだと思ったらモヤモヤして……。気がついたら和也さんに見合い相手を代わってもらえるように頼み込んでいたんだ」
「だから、どうしてそんなことをしたの?」
私の言葉に朔斗は呆れてため息をつく。
「お前、鈍いヤツだな。普通、この流れで大体気付くだろ。さっきも言ったけど、理由なんてひとつしかない。とは言っても、俺もその時にハッキリと自覚したんだけど」
そんなこと言われたって、気がつかないから聞いてるのに。
ちゃんと言ってくれないと全然分からないよ。
「お前のことが好きだから、見合い相手を代わってもらったんだよ」
えっ?
一体、朔斗は何を言っているんだろう。
呼吸をすることを忘れるくらい信じられなくて、固まってしまう。
朔斗は私に恋愛感情なんて一度も抱いたことがないはず。
完全に私の片想い。
実ることはないけど、けじめとしてお見合いが済んだら朔斗に気持ちを伝えようと思っていた。
そして、振られてスッパリ諦めようとしていたのに……。
まさかの展開で頭の中が真っ白だ。



