待ち合わせのホテルに着いた。

お母さんから「先方は堅苦しいのは苦手とのことで、かしこまったものではないから気楽においで」と言われていた。
一階のカフェで待ち合わせとのことで、適当に空いている席に座りコーヒーを頼んだ。

今日の私の服装は、ネイビーの膝丈のワンピースに細身のホワイトのベルト。
それにパールのネックレスをつけた。

お見合いなんて初めての経験で、どんな服が正解なのか分からずネットで調べた。
残念ながら、私の手持ちの服は明らかに場違いの物ばかりだった。

お見合いは二時からだったので、朝一でデパートに買い物に行った。

支払をする時、何でこんな余計な出費をしなきゃいけないんだろうとため息が出た。
一回限りという無駄なことはしたくなかったので、今後も着れそうなワンピースを選んだ。

そういえば、今日のお見合いってどういう流れになっているのか全然分かっていない。
だた、指定された場所に行けばいいと言われただけ。

よく考えたら、相手の写真も見せてもらってない。
他のことに気を取られていて、すっかり忘れていた。

どんな人が来るんだろう。
今さらながら不安になってきた。

運ばれてきたコーヒーを飲みながらソワソワしていた。

もうすぐ約束の二時。
何となくカフェを見回していたら、見知った顔の人物がこちらに向かってきた。

え、どういうこと?
私の頭に疑問符が沸いた。