星衣side




「…よいしょ、うんしょ……」




登り始めて約6分。




半分くらいまで来た。




「ふ〜。ちょっと、きゅうけ〜い。」




まだ、半分だというのに地面に垂直に建っている門を登るのは一苦労で手がジンジンと痺れてきた。




上を見上げれば黒いそれはまだ伸びていて気が遠くなりそうだ。




「…うわぁ……高い!」




上を見たから下を見てみると結構地面から距離があり、足がすくみそう。




ひぇ〜〜〜!




オレのキャリーバッグが豆腐に見える!




黒ごま豆腐みたいな?




もしここから落っこちたら…




「ダメダメ。あと少し!頑張ろう!」




頭を横にフリ気を取り直して再び登り始める。