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あたしと空音が休憩している時、不意に男子生徒の１人が出口へ向けて走りだした。


咄嗟の事でみんな止める事ができず、男子生徒は入口の近くで茫然と座り込んでいた女子生徒に殴りかかった。


その女子生徒は感染していた生徒の１人だ。


「なに、してんだ！！」


女子生徒が横倒しに倒れたのを見て、辻本先生が我に返ったようにそう叫んだ。


「だって、こいつ人殺しだろ！？」


男子生徒はそう言い、悲鳴を上げる女子生徒の顔面を更に数発殴りつけた。


体育館内のあちこちから悲鳴が上がる。


女子生徒は鼻から血を流し、怯えた表情を浮かべている。


「やめろ！　殺したくて殺したわけじゃないんだ！」


辻本先生がかけより、男子生徒を女子生徒から引きはがす。


「だけど！　こいつらが体育館に来てからみんなビビッてんだろ！！」


その言葉に、体育館の中が一瞬静かになった。


感染していた女子生徒２人と距離を置き、好奇の目で見ていたことは確かだった。


だから、みんな思わず黙り込んでしまったのだ。


「怖いかもしれないけど、もうウイルスは消えてるんだ！！」


辻本先生が必死に説得する。