神林は橋高に言った。
「部長からだった。チコに動きがあったらしい。本部に行こう」

「わかった。すぐ準備するわ」

「今日休みじゃないんだから、準備はしておけよ……、もう、朝の8時だぞ」

「私たちもチコの影響を受け始めているのかもしれないね……」

神林は橋高にの前に立った。

「な、なあ、橋高」
「……えっ///」
しっかりと橋高の目を見つめている神林の目。

橋高は手に持っていたハンカチを落としてしまった。拾おうとする橋高の手を、とっさに神林はつかんだ。

「……え」
神林は橋高の左手を、右手で掴んで、壁に抑え付けて言った。
「橋高……」

「……動けないよ///」
「こっち、向けよ」
「……うん」

「お前は、俺のものだから」
「……うん」

神林と橋高は、触れるか触れないかの、ギリギリのキスをした。少し触れては、唇を離す。また口づけをしては、すぐに離れる。唇を軽く付けあったまま、お互いを焦らし続けるようなキスを、ふたりは感じあった。

「橋高……、本部に行こう」
「えっ……、神林さん」
「……どうしたの?」
「……おさまらないよ、気持ち」
「……続きは、本部でしよう」

神林は、焦らした。