「そう言えばまだ一人来てませんよね?」
「誰の事かしら?」
「え……」
「今この荘には薫くんも合わせて四人しか居ないよー?」
「え、でも……さっき」
「誰か居たの?」
「小さな子供が……」
"ガタンッ"
「あらあら、どうしたのしずちゃん茶碗をひっくり返すなんて珍しい」
「な、何でも無い」
「…………ああ、雫ちゃんは怖い話とか苦手だったっけ」
「苦手じゃ無い! ただ、その……」
苦手なものを必死に隠す先輩、可愛い!
「じゃあ肝試しでもする? 丁度子供の霊がきてるみたいだしー」
「普通そういうのって夏にやりませんか?」
「ちっちっち、分かってないなー、薫くんはー」
「え?」
「折角幽霊さんが来てくれてるんだよ? 今やらずして何時やるの!」
「夏でいいんじゃないですか? 先輩も怖がってますし」
「怖がってない!」
「いいんじゃない? 普段とは違う川之江荘が見えて」
「れ、玲子さん!?」
「ん? どうしたのしずちゃん、やっぱり怖い?」
「怖くない! 怖くないけど……」
「けど?」
「えーっと、その………………あ、ほ、本読む時間が無くなるし」
「えーやらないの? もうセッティングしたのにー」
「何時の間に!?」
廊下の先からは電気が消え如何にもでてきそうな雰囲気を漂わせていた
「っー!?」
「あ、先輩大丈夫ですか?」
「だ、だだだだ、大丈夫」
あー絶対大丈夫じゃないなー、それと涙目グッジョブ!
「それじゃあー、川之江荘第一回肝試し大会ー! 玲子さんはどうする?」
「そうねえ、私は見学しておこうかしら」
「オッケー! じゃあ薫くんと雫ちゃん! 行ってらっしゃーい! 僕たちは奥で待ってるからー」
「えーと、行きましょうか、先輩」
「……うん」
ああー可愛い!
「先輩本当に大丈夫ですか? 無理なら今からでも辞められますよ?」
「大丈夫……」
ああ、意地なですね先輩
「それじゃあそこ、気を付けてください、たぶん何か出てきますから」
「ええ、何処?」
「ここです、ほら」
指を指した所からは多分玲子さんの持ち物である日本人形が見え見えの紐に引っ張られて出てきた
先輩が引っかかったピアノ線が仕掛けのスイッチになってたのかな
意外としっかりしてる……
「っと関心してる場合じゃなかった、せんぱっ、い、どうしたんですか? しゃがんで」
「な、何でも無いー……」
はっ、もしかして……
「先輩怖かったんですか?」
「!? ち、違う! ちょっとお腹が痛くなっただけ」
「え! 大丈夫ですか! トイレって何処でしたっけ!」
「え、あ、いや、この廊下の突当り、だけど……」
「分かりました!」
「え、いや、ホントは…………何でも無い」
「先輩? 大丈夫ですか?」
「っー離れて……」
「あ、ああ! すみません!」
ああー何やってんだ僕はトイレしてる女の子に普通話しかけるか?
失敗したー……
"ガチャリ"
「あ、せんぱ、いぃ! どうしたんですか! その顔!」
「あ、あそこ……」
「へ?」
先輩の指さす方向を見るとこちらを見て笑っている昼間見た女の子がいた
「ギャーー!」
「…………」←方針状態
「それで、これはどういうことですか?」
「いやーごめんねー? まさか瑠璃ちゃんが帰ってきてたとは知らなくてさー」
「そうねえ、帰ってたなら一言かけてくれればよかったのに」
「…………ずっと部屋で寝てたから」
「えっと、紹介お願いできます?」
「ああ、うん、この子は水城みずき 瑠璃るり、去年海外に留学してた優等生だよー」
「留学! 凄いんですね」
「そうねえ、瑠璃ちゃんはとても賢いのだけど、見ての通りコミュニケーションがねえ」
「雫ちゃんと一緒だね!」
「……………」
"ゲシッゲシッ"
「あ、あ、痛いよ雫ちゃん!」
「止めようか?」
「もっとやってください!」
確かに先輩に似たタイプかもしれない
もし二人が並んで本読んでたら…………
先輩と小先輩!? 可愛すぎる!
と、そんなこんなで川之江荘第一回肝試し大会は幕を閉じたのでした
「あ、僕日本人形なんて仕掛けてないからねー?」
「「!?」」
「誰の事かしら?」
「え……」
「今この荘には薫くんも合わせて四人しか居ないよー?」
「え、でも……さっき」
「誰か居たの?」
「小さな子供が……」
"ガタンッ"
「あらあら、どうしたのしずちゃん茶碗をひっくり返すなんて珍しい」
「な、何でも無い」
「…………ああ、雫ちゃんは怖い話とか苦手だったっけ」
「苦手じゃ無い! ただ、その……」
苦手なものを必死に隠す先輩、可愛い!
「じゃあ肝試しでもする? 丁度子供の霊がきてるみたいだしー」
「普通そういうのって夏にやりませんか?」
「ちっちっち、分かってないなー、薫くんはー」
「え?」
「折角幽霊さんが来てくれてるんだよ? 今やらずして何時やるの!」
「夏でいいんじゃないですか? 先輩も怖がってますし」
「怖がってない!」
「いいんじゃない? 普段とは違う川之江荘が見えて」
「れ、玲子さん!?」
「ん? どうしたのしずちゃん、やっぱり怖い?」
「怖くない! 怖くないけど……」
「けど?」
「えーっと、その………………あ、ほ、本読む時間が無くなるし」
「えーやらないの? もうセッティングしたのにー」
「何時の間に!?」
廊下の先からは電気が消え如何にもでてきそうな雰囲気を漂わせていた
「っー!?」
「あ、先輩大丈夫ですか?」
「だ、だだだだ、大丈夫」
あー絶対大丈夫じゃないなー、それと涙目グッジョブ!
「それじゃあー、川之江荘第一回肝試し大会ー! 玲子さんはどうする?」
「そうねえ、私は見学しておこうかしら」
「オッケー! じゃあ薫くんと雫ちゃん! 行ってらっしゃーい! 僕たちは奥で待ってるからー」
「えーと、行きましょうか、先輩」
「……うん」
ああー可愛い!
「先輩本当に大丈夫ですか? 無理なら今からでも辞められますよ?」
「大丈夫……」
ああ、意地なですね先輩
「それじゃあそこ、気を付けてください、たぶん何か出てきますから」
「ええ、何処?」
「ここです、ほら」
指を指した所からは多分玲子さんの持ち物である日本人形が見え見えの紐に引っ張られて出てきた
先輩が引っかかったピアノ線が仕掛けのスイッチになってたのかな
意外としっかりしてる……
「っと関心してる場合じゃなかった、せんぱっ、い、どうしたんですか? しゃがんで」
「な、何でも無いー……」
はっ、もしかして……
「先輩怖かったんですか?」
「!? ち、違う! ちょっとお腹が痛くなっただけ」
「え! 大丈夫ですか! トイレって何処でしたっけ!」
「え、あ、いや、この廊下の突当り、だけど……」
「分かりました!」
「え、いや、ホントは…………何でも無い」
「先輩? 大丈夫ですか?」
「っー離れて……」
「あ、ああ! すみません!」
ああー何やってんだ僕はトイレしてる女の子に普通話しかけるか?
失敗したー……
"ガチャリ"
「あ、せんぱ、いぃ! どうしたんですか! その顔!」
「あ、あそこ……」
「へ?」
先輩の指さす方向を見るとこちらを見て笑っている昼間見た女の子がいた
「ギャーー!」
「…………」←方針状態
「それで、これはどういうことですか?」
「いやーごめんねー? まさか瑠璃ちゃんが帰ってきてたとは知らなくてさー」
「そうねえ、帰ってたなら一言かけてくれればよかったのに」
「…………ずっと部屋で寝てたから」
「えっと、紹介お願いできます?」
「ああ、うん、この子は水城みずき 瑠璃るり、去年海外に留学してた優等生だよー」
「留学! 凄いんですね」
「そうねえ、瑠璃ちゃんはとても賢いのだけど、見ての通りコミュニケーションがねえ」
「雫ちゃんと一緒だね!」
「……………」
"ゲシッゲシッ"
「あ、あ、痛いよ雫ちゃん!」
「止めようか?」
「もっとやってください!」
確かに先輩に似たタイプかもしれない
もし二人が並んで本読んでたら…………
先輩と小先輩!? 可愛すぎる!
と、そんなこんなで川之江荘第一回肝試し大会は幕を閉じたのでした
「あ、僕日本人形なんて仕掛けてないからねー?」
「「!?」」
