俺とアイツと異世界人

休み時間になると生徒達の視線はやはり俺の横の転校生へ向かう。
もちろん俺も。
ただなにをするわけでもなく俺の横の席に座っている。

そう、ここまで言えばわかると思うがこいつ、天塚時雨はどういうことか俺の横になった。
俺の席はド真ん中の列の前から3番目というこれまたド真ん中の席だった。

転校生の希望が一番端の窓際だったそうなのだが花山の提案のせいでその転校生はド真ん中の横の席に移されてしまった。
花山曰く、
「よし、ここならクラスメイトと話す機会もそれなりにあるだろう。なかなかいい案だ。」
と。

わざわざ元いた奴と席を交代してまで。

俺や元いた奴、転校生にとっちゃいい迷惑だ。これだから花山は。

「……」

「……」

初日に天塚にああ言われてしまった手前、軽々しく話しかけていく図太いヤツなど居らず、無言の時が流れる。

すると何を思ったか天塚はただ無言で前を見ていたかと思いきや、いきなり立ち上がり、教室を出ていってしまった。

まあ、気まずくでもなったんだろう。

クラスメイトにガン見され続けていては誰でも逃げたくなるものである。