~大河~

理科実験室、それは俺が学校の中で最も楽に過ごせる場所だ。



騒ぐ女子もいなければ、うるさい先生もいない。



俺は割とひとりが好きだ。



今日も誰もいない理科実験室に足を運んだ。



だが、今日はいつもと少し違った。



いや、少しではないかもしれない。



人の気配がする。



誰だよ。女子か?女子だとまずい。



俺はチラッと中を覗き見する。



「っ、!」



俺は一瞬目を見開いた。



そこにいたのが隣の席の野々宮憂だったからだ。