「まぁ理由はどうあれ、ありがと。」



あんぱんを受け取って平田大河の横を通り過ぎようとしたら、



パシッ



あんぱんをもってない、左手を掴まれた。



「なに?やっぱあんぱん返して欲しくなっ…、」



"返して欲しくなっちゃった?"そう聞こうとしたのに、平田大河があまりにも真面目な顔してるから何も言えなくなった。



「お前さ、まだ…―――の事好きなの?」



―――?



「ごめん、聞こえなかった!」