「ここに寄った理由って何なの?」



「いや、もう少し話してみたかったから、さ。」



彼は気まずそうに私から視線をそらす。



それには私は何も言わず、変わりに小さく呟いた。



「…星、綺麗だな。」



彼はそれに答えてはくれなかった。







彼といると時間を忘れてしまう。



街灯の灯りがやけに寂しく、ゆれていた。



「そろそろ、帰るわ」



時刻はもう8時を過ぎていた。



あまり遅くなって心配させるわけにも行かないし。



「…あぁ。」



彼はそれっきり何も言わなかった。