「…、っき、らいなの…!あ、んたの事!」 気付いた時には遅かった。 最後に、素直になんてなれるわけないよ…。 だって、私は大河のために離れるんだから。 この気持ちがバレてしまったら…、意味、無いじゃない…。 だから、傷つけて、突き放したかった。 涙で濡れた頬は走った時に全部向かい風で乾燥していた。 けれど、それでも。 一人になった部屋でまた静かに幾粒も涙が流れた。