彼に素顔がバレて一週間。



一週間経っても彼のモテ様は変わらない。



だが、彼の私への態度は明らかに変わっただろう。



「あ!大河くん、おはよう♡♡」



そして朝はすこしだけ、早く来るようになった。



それは、べつに私の事は関係ないようだが。



確か最近彼女と登校しているらしい。



もちろん、あくまでも偶然を装ってだが。



『あれぇ?今日も箱部さんと来たのー?』
『偶然会っただけだって、言ってたよぉ!』
『私も大河くんにあわせよぉかなぁ?』
『抜け駆けきんしよ!』
『分かってるってぇ!』



今日も騒がれながら教室に入ってくる、平田大河。



となりの席につきチラリと、私を確認する。



私はそれには気づかないふりをして窓を見る。



この前までは私の存在になんて、見向きもしなかったくせに。