ピアスの秘密

どれくらい眠っていたんだろう…

暗い部屋のなかで、ちひろは携帯を持ち直し、慌てて小さな声をかけた。

「領くん？」


「おはよう…でいいかな？」と領は少し笑っていた。

「ごめんね、私が寝ちゃった。」


「僕もさっきまで眠ってたんだ。ずっと切らないでいてくれてありがとう」


「私もそばにいるみたいで嬉しかった」

「僕も…思った」

「こうやってまた話そうね」

「うん。僕は明日は休みだし、ちひろさんはゆっくりやすんで…おやすみ…」領はとてもやさいし声だった。

「領くんもね…おやすみなさい…」

ちひろは携帯を枕元に置き、目を閉じて領を思った。

領は電気をつけ、時計をみるとちょうど深夜の3時だった。

シャワーを浴びた。

このままでは朝からちひろのもとへ行ってしまいそうな自分がいた。

そんなことをしたら、ちひろさんが困ってしまう。

早く酔ってしまいたくて、ワインを一本、一気に飲み干した。

鼓動が少しづつ早くなってきた。

ベッドに入り、休日が早く終わることを願った。

だんだんと虚脱感に襲われながらも夢でちひろに会いたいと思った。

そして深い眠りに落ちていった。