エレベーターの中からずっと鳴りやまない鼓動。

「きれい…ありがとう。」とそれを見ながら、ちひろは心を込めてお礼を言った。

「ちいさいけど…」
と領は照れくさそうに下を向いた。

それは、ちひろが想像していたよりも広くて真っ暗な部屋の中で、キラキラと綺麗な色に点滅していた。

部屋には三人掛けのソファーがあり、向かいに一人掛けのソファーが2つ並んででいた。

そしてそれは、奥の一人掛けソファーに着席している、小さなクリスマスツリーだった。

ソファーの間にあるテーブルがガラス製のせいか、キラキラと光が反射して素敵だった。

それから奥の暗闇にはベッドが2つみえて、見てはいけないものを見たような気がした。


ちひろは我にかえり、
「すごくうれしい。ありがとう。」

「うん…」

領とちひろは視線を重ねた。

お互いの瞳に自分が映っている。

一瞬、時間が止まった。

あまりにも領のきれいな瞳に目が離せなかった。

領が優しく笑いながら、
「そんなに見られたら恥ずかしいなぁ…」

「ごっ、ごめんなさい。」
ちひろは慌てた。

そして時間はまた動き出した。

目を閉じていたら…

なんて…