《今電車に乗ったので、3時40分頃に着きます》

《ホテルに着いたら、ロビーから電話ください》

《はいっ!》


あれもこれもと思っていたら、荷物がたくさんになっていた。

電車の座席に座り、目を閉じで今からの出来事を妄想してみた。

領が客室のドアを開ける、部屋に入る、どこへ座り、何を話す、またあのきれいな手に触れたい…

それ以上のことが起ったらどうしよう…

それはあり?なし?

ドキドキしてたら、すぐに京都に着いた。

ホテルのフロントの前を通り、領に電話をしたら、すぐに行くからその場で待つように言われた。

エレベーターのドアが開き、見ると領が中から手招きしていた。

「遅くなってごめんなさい。わざわざ迎えに来てくれてありがとう。」

「お久しぶりです。すごい荷物ですね?」

「領くんはあまり出歩かない方がいいかと思って、フライドチキンとサンドイッチを作ってきたの。」

エレベーターがとまりドアが開いた。

「ほんとに!うれしいなぁ、ありがとう。」

ちひろは昼の明るい時間に、領と二人で出歩く勇気がなかった。

「どうぞ、はいってください。」

「はい…。わぁ!」