前日の朝、領から明日についてメールがあった。

《おはよう。
明日の昼頃には、京都に着いてホテルにいるからいつでも来てください。最終で東京へ帰ります。
楽しみです。》


《4時くらいになるかと思います。忙しいのにありがとう。》

《了解(^^)》

《(^^)》


凄く幸せだった。

領はちひろの笑顔を思いうかべ、ちひろは優しい声を思い出した。

そして、領が最終の新幹線で帰るということにも、少しほっとした。

明日は土曜日で、主人は休みで子供たちと映画を見に行く約束だった。

というか、そうなるようにしむけてしまった。

ちひろは夏以来の夜の外出だったので、反対されず友達と夕食に行くことになっていた。


明日は昼食後に三人を見送って、フライドチキンとサンドイッチを作り、シャワーを浴びてきれいになって、頑張ってなるべく早く京都に向かう予定を立てている。

はじめて渡すプレゼントも、さんざん悩んでやっと決めた。

怪しまれないように、浮かれず、いつもと同じ金曜日を過ごす努力をした。

家族が寝静まったあと、にやにやしながら、こそこそと明日の準備をした。

期待と不安と罪悪感に揺れながら…