「とても気持ちよかったし、楽しかったわ。じゃあ、次は電話で予約させてもらうわ。」

「ご来店御待ちしております。ありがとうございました。」

京子は楽しげに帰っていった。

京子のカルテを見たが、住所の番地や電話番号、生年月日は無記入だった。

最近少なくはない…

次、来店するかどうかの方が大切だった。

ただいつものように仕事に戻った。

少しして、松本がサロンへケーキをたくさん持ってきた。

「こんにちは、さっき上でクリスマスディナーの試食会をしてて、余ったケーキで悪いけど食べてください。」

「わぁ、うれしー」

「いいんですか?」

里香が出てきた。

「すみません。ありがとうございます。」

「じゃあ。」

二人が食事をするのは週に一度と決めてあった。

会いたくても、守るもののためルールを守っていたが、時々こうやって松本が突然来てくれる。

一言交わすだけ、とてもうれしかった。

12月…クリスマスがある。
女ならいくつになっても、それぞれにいろいろな思いを考える。

いつもとかわらないクリスマスを過ごすと解っていながら、どこか何かを期待してしまう。

なぜかとても罪な日…