12月に入ったばかりだというのに、ちひろは風邪をひいて横になっていた。

去年のクリスマスは領と会ったことを思い出した。

あのときは、あの日が最後と思っていたのに、またクリスマスが来る。

二人の距離は離れてはいないが、近くなったとも言えない。

もちろん、今年のクリスマスは領と二人で過ごしたいとちひろは思っていた。

でも、言えない…

今、時間は深夜の0時25分。

夕方からどんどん熱が出て、家事を終え9時過ぎからベッドで寝ていた。

39度もある熱のせいで、少しボーッとしながら、領に会いたいと考えていた。

本当に会いたい…熱のせいか、泣けてきた。

やっぱり、頭が混乱してとうとうメールをしてしまった。

《まだお仕事ですか?ごめんなさい。》

領は帰りの車の中だった。後部座席には一人で乗っていたので、着信メールをみた。

いつも領からメールをしていたから、ちひろからのメールにビックリしたが、嬉しくてすぐに返信をした。

《後、15分で家に着くので電話してもいいですか?》

《ありがとう。》

後少しで、久しぶりに領の声が聞けると思ったら嬉しくて涙が出た。

ますます頭がボーッとした。