年が明けた。
あれから私はきれいになる努力をした。

プール、ウォーキング、そして化粧品もかえてみた。
毎日、また次のために充実した日々を送った。

また会える、もう会えない、私の中で半分づつの思いがあった。
四六時中、彼を思った。

家族へ後ろめたさもあり、家庭の事も今まで以上にがんばった。

一日が終わり、子供や主人が寝たあと、私は1人で毎晩なにもてにつかず、ただただあのイブの日を必死に思い返していた。

目を閉じると、夜景を眺めていた彼の横顔が見える。
完全に心の中は青木領に占領されて、行き場のない思いがどんどん膨らんで、どうにかなってしまいそうだった。

買い物へ出掛けても、同じ年頃かな、背の高さはこれくらいかな、見るものすべて領くんに繋がってしまう。

こんなに会いたくても、私はやっぱり自分から電話することはできない。

ただ登録された番号をみながら、連絡がくることを祈るしかなかった。

そのまま涙を流しながら寝ている日も少なくなかった。

本当にもう一度、彼に会いたかった。

私はこんなに彼を思っているのに、彼は少しでも私を思い出したりしてるだろうか。

好きでたまらない…