それ以上直人は聞いてこなかった。

知らない人ばかりで僕は退屈していた。

僕はいつもこういう場所でなかなか楽しくできない。
「領、疲れてるなら部屋にかえっていいよ。」ってリーダーの昌也は声をかけてくれたけど、直人がこっちを向いて笑った。

本当にあいつは勘がいい、このまま部屋へ戻ると、完全に疑われそうだった。

「大丈夫だよ。」って言って、僕はいつもよりたくさんの人と話をした。

珍しく二次会、三次会へとついていき、酔っぱらいながら、さっき会った春野ちひろさんの事が時々頭をよぎった。

僕はどうしてあの人にこだわっているんだろう…

そのうち歩けないほど酔ってしまい、直人と孝太に支えられながら、部屋へ帰った。

「珍しく最後まで飲むからこんなことになるんだよ。」と孝太は言った。

意識の遠のく中、直人が部屋から出て行く時に、
「からかってごめん。」って言ったような気がした。

そして僕のクリスマスイブも終わった。