私は駅へと向かった。その時、携帯がなった。
出る気がしなかった。

「もしもし?」私は無愛想にでた。

「もしもし僕です。駅に着きましたか?」ホテルへ戻った彼からだった。

「今着きました。」ビックリした。

「この携帯番号は僕のです。よかったら登録してください。じゃあ。」

「あっ、はいっ。」電話はすぐに切れてしまった。

またうれしくなった。私はもちろんすぐに登録した。
彼の行動にハラハラドキドキした、最高に素敵な私のクリスマスイブは終わった。

「悪い、ごめん、ごめん。」僕は急いで打ち上げ会場に戻った。

「遅い、なにやってたんだ。揃わないと始まらないだろ」と昌也がいった。

昌也、孝太、直人、僕、順番に挨拶をした。

そしてコンサートの打ち上げパーティーが始まった。たくさんの人がいた。

そっと直人が僕に近寄ってきて、耳元で
「さっき部屋にも居なかったし、何処行ってたんだ?」

「うん、ちょっと…」言える訳がない。

「ふーん、ちょっとかぁ」直人は意味ありげに言う。
「いいクリスマスになったか?」なかなか鋭い質問で困ってしまう。

「べつに…」と僕は言うしかなかった。