ピアスの秘密

領のお腹がなった。

「何も食べてないし、お腹が減った。」

「私が何か買ってこようか?」

「たしか…この棚にカップ麺があったはず」

領は戸棚の中を探した。

「ほら、あった。」

「それでいいの?」

「僕はいいよ。ちひろさんは?」

「私もいいよ」

「僕が作ってあげる」

と言って領はカウンターの中に入りお湯を沸かしていた。

ちひろはカウンターのの丸椅子に座り領を眺めた。

「後一時間くらいしかないなぁ」
とちひろはため息をついたが、領は何も言わずちひろを見て微笑んだ。

ちひろはこの顔がとても好きだ。この笑顔が見れただけでよかったと思えた。

「領くんにカップ麺を作ってもらってるなんて…信じられない」

「そう?」

「領くんはすごい人なんだよ…」

「そんなことないよ。でもすごい人に作ってもらってるちひろさんがもっとすごいよ」

ってなんだか、はぐらかされてしまった。

カウンターで一緒に食べて、韓国の過酷な撮影秘話をしてくれた。

2時までなんて、あっというまだった。

「ピアスはどうしよう?」

「僕がするよ。次に会った時に」

「うん」

私たちは初めて約束をした