パトカーで運上さんのお宅へ。

「運上なおみさんのご自宅ですね?」

「はい。なおみの母です。」

「県警の野辺です。」

「なおみが見つかったんですか?」

「お母さん。残念ですが、なおみさんは遺体で見つかりました。」

「えぇっ……でも見つかってよかったです!」

娘の死を悲しまず、遺体でもいいから見つかってよかったって考える被害者の母はポジティブな思考の持ち主。

「なおみさんは下着姿で、手に遺書を握った状態で、公園の遊具の下に倒れているところ発見されました。」

ちょっとあわてて言ってしまったなー。

「遺書? なおみは自殺するような子じゃありません!」

「お母さん。こちらでは殺人事件として調査しています。」

「遺書……見せてください。」

「はい、こちらです。」

便せんに入った、小さな紙に文が綴られてる。

その文は、なおみさんが書いたものとは限らない。

本当は誰が書いたかわからない。