花菜絵さんの実家は、大きくて和風な感じだった。

「はい、ほうじ茶。」

「すみません。」

花菜絵さんのこと、うまく聞けるかな。

田橋さんに、余計なこと聞くのがいいことって言われたから、きっと大丈夫。

「花菜絵のことですか?」

「はい、そうです。」

「花菜絵に何かあったんですか?」

「花菜絵さん……雑木林のなか、遺体で発見されたんです!」

「えぇっ! 本当?」

お母さん、すごい驚いてる!
それはそう。急に娘が亡くなったって聞けば。

「花菜絵さんは下着姿で、首にロープが巻きつけていて、遺書もありました。」

「まさか。花菜絵は自殺するような子じゃないですよ!」

「お母さん。他殺の可能性もあるので、こちらで調べています。」

「きっと他殺よ! 花菜絵は死んでない! その遺体は別の人ものに間違いない!」

花菜絵さんのお母さんは、娘の死を信じていない。