彼はきっとこの屋敷の入り口に向かっている。脱出するきかもしれない。

彼は一体この屋敷のどこにいるんだ?

そう思いながら一部だけホコリの被っていない部分を見ながらそこにあるものが何なのか心の奥でわかっているような気がしていた。

「こっちにもホコリの被っていない所があるよ。」

「見せてください。」

何も言葉が出てこなかった。

「このホコリの被り方・・・・?」

「どうしたんですか?何かわかったんですか?」

「ここのホコリの被り方がおかしいんですよ。」

「えっ?」

この部分だけホコリの被り方がまだ新しい。

「ここにあった物を誰かが持ち去った跡ですよね?」

「はい。でも、」

「でも?」

「このホコリの被り方からいって5,6時間前にここにあった物を何者かが持ち去っています。」

「それを持ち去ったのが''笹原くん''ってことですか?」

「''笹原くん''が持ち去ったと考えるのは無理があります。」

「えっ? どうしてですか?」

「それは今から3時間前まで食堂で''笹原くん''と一緒だったからですよ。」

「あっ!確かにそうですね。そうなるとこれは一体誰が持ち去ったんですかね?」

持ち去った人物が誰なのかすぐ想像出来た。

これを持ち去ったのは僕たちをここに監禁した犯人だ。

何の目的なのかはわからない。きっと何か犯人にとって''都合の悪い物''なんだろう。

一体何がそこにあったのだろうか?

僕たちは夜遅いということもあって屋敷の捜索を止め寝ることにした。

水善さんに寝室で寝るように進めたのだが1人は怖いらしいので居間にあるソファーが2つあるので薄いタオルケットを持ってきてそこで眠ることにした。

「本当に寝室ではなくでいいんですか?」

「1人だと怖いしこうやって誰かと一緒にいると修学旅行見たいで楽しくないですか?」

「そうですね。何かありましたら起こしてください。」

「はい。わかりました。」

「それではお休みなさい。」

「お休みなさい。」

そう言って僕は少し考え事をしたあとゆっくり目を閉じた。

こうして長い1日が終わった

まだ僕たちがいる現状は序章にすぎなかった。

これから始まる。



??「まずは1人目」