恋ってやつは厄介である





ーーダンダンダン、ポスッ

ーーダンダンダン、ポスッ



気づけば放課後。
頭の整理ができないまま、バスケ部員の練習風景をぼーっとしながら眺めていた。



「…ぱい、…り…ぱい、」



柚月ちゃんの言った通り、あたしってなんの為に此処に居るんだろ。仕事も遅いし、機転も利かない。みんなにとっては、ただのお邪魔虫だよね。


現に、今だって。柚月ちゃんの周りには沢山のバスケ部員がいる。



「…ぱーい、より、…」



バスケ部のみんなにスポーツドリンクを渡している柚月ちゃんを遠目に見つめる。元々は、あたしの仕事だった。でも柚月ちゃんが入ってきてしばらく経つと、「私がやりますよ」って言ってくれて。


さらにしばらく経つと、いつのまにかマネジの仕事はほぼ全部柚月ちゃんが行っていた。


タオルを渡そうとすると、先に柚月ちゃんが配っているし、記録をとろうとしても柚月ちゃんが既に記録をとっていた。



あたし、なんで此処に居るんだろ。



「依先輩っ!!」


「わっ!?」



溜息をついたあたしの耳に、フッと誰かの息が掛けられた。


見ると、そいつは意地の悪い顔でびっくりするあたしを見て笑っていた。