「俺、ほんと後悔した。何で助けられなかったんだろうって」 「わたし…」 何かが思い出してくる。胸の奥から。ふつふつと。ふつふつと。 そして、はっとした。 「の、ぼる…」 そうだ、わたしは、吉澤くんに会ってた。出会ってた。 「思い出してくれた?」 にこっと笑うのぼる。 「うん。」 思い出した、思い出したよ、全部。 今日まで思い出せなかった。そして今日で分かった。 あの夢の正体は、のぼるだったんだ…。