その夜、私はひとり夜の新宿の街をふらふらと歩いていた。
いつものように19時にあがった仁科さんと梅田さんを見送り、遅番で閉店作業を終えた私は特に目的もなくこの街に残っている。
いつもなら、まっすぐ自宅に向かって帰る時間だ。
だけど今日は、昼間聞いた梅田さんの言葉が頭から離れなくて。ひとりで家にいると余計考えちゃいそうなんだよね……。
今頃仁科さんと梅田さんは……いや、ダメだ。想像するな自分。
けど、梅田さんのあの積極性は本当にすごいなぁ。
いつも会話の端々から感じてはいたけれど、彼女は自分に自信があるのだろう。『色仕掛けで落とす』、なんて私には一生言えないだろうセリフだ。
……けど、梅田さんに心揺らがないでほしい、と思うなんて。私の勝手なワガママでしかない。
ひゅう、と吹く冷たい冬の風に身をすくめる。
うう、寒い。こうして気晴らしに外を歩いてみても結局考えてしまっているし……おとなしく帰ろうかなぁ。



