世界はまだ君を知らない




私がこんな風に言うなど思ってもみなかったのだろう。先ほどの態度から一転し、強気で言う私に、健吾は戸惑い言葉を詰まらせる。



私だって、自分がこんな風に言葉を発せられるなんて思わなかった。

だけど、止まらない。

逃げたくないと、強く思う。



「どうせ処女だよ。あれから誰とも付き合えてないし、恋することも怖いよ」



拒まれたくない、傷つきたくない。

そう思うと、誰かを想うことすら怖い。



「だけど、変わりたいと思ってる。誰かを好きになって、そんな自分を好きになりたい、なれるはずだって願ってる。その思いを、健吾に邪魔する権利なんてない!!」



あなたが、教えてくれた。



隠したつもりでいた、自分の本当の気持ち。

こんな自分でも変われること。

小さな可能性と、自分を認めてもらえることの嬉しさ。



それらを否定なんてさせない

そんな言葉に、負けたくない。



「んだとっ……」



けれど、その反論に悔しさを感じたらしい健吾は怒りに顔をゆがめて手を振り上げる。



殴られるっ……!!

その手に咄嗟にぐっと歯を食いしばり、目をつむった。