暑い…。身体のいたるところから汗が吹き出す。
そんな暑すぎる今日、僕は家族とともにこの村にやっとの思いでたどり着いた。
前に住んでいた村では、小作人として田を耕して米をとり、生活していた。
しかし、二年前から冷害や不況やらで村は活気を失い、今では荒れ果ててしまった。
たくさんの人々が飢餓や貧困に苦しんだ。
無論、僕の家も例外ではない。
米がとれず、地主に土地を貸してはもらえなくなってしまい、冷害の被害が少ない今の村に移住することにしたのだ。
それは本当に大変な道のりだった。
貧しい僕らは、満足に食べることもままならなかった。
とにかく必死に歩き続けた。
四つ下の八歳の妹も泣きながら歩いた。
そして、今日。
やっとたどり着いたのだ。