恋する5秒前~無愛想なキミと~



その日の夕方。キッチンで夕飯の準備をしていると


「タマちゃん、ねぇ、タマちゃんったら!」


「なに、未来。どうしたの?」


「なんか焦げ臭いよぉ」


未来に指摘されて、右手で掴んでいたフライパンに目を落とした。


「うわっ、焦げてるっ!」


慌ててガスコンロの火を止めたけど、遅かったみたい。


フライパンの中で焼かれていたハンバーグは真っ黒に焦げていたんだ。


コンロの火力を強いままにして焼いたのが失敗の原因。


「姉ちゃん、こっちの部屋まで焦げ臭いんだけど」


翔も顔をしかめながらキッチンの中へと入ってきた。


「ごめん、ハンバーグ焼くの失敗して焦げちゃった」


「え~っ!ハンバーグ食べられないのぉ?」


ガックリ肩を落とす翔。


いつもなら、こんな失敗しないのにな。


香奈から桜井君の話しを聞いて考え事をしていたからだな。


キッチンに置いてある時計で時間を確かめると夜の7時過ぎ。


今から材料を買いに行くのは無理だよね。


二人ともお腹を空かせているから、他に手早く作れるものはないかな?