その日の夕方。キッチンで夕飯の準備をしていると
「タマちゃん、ねぇ、タマちゃんったら!」
「なに、未来。どうしたの?」
「なんか焦げ臭いよぉ」
未来に指摘されて、右手で掴んでいたフライパンに目を落とした。
「うわっ、焦げてるっ!」
慌ててガスコンロの火を止めたけど、遅かったみたい。
フライパンの中で焼かれていたハンバーグは真っ黒に焦げていたんだ。
コンロの火力を強いままにして焼いたのが失敗の原因。
「姉ちゃん、こっちの部屋まで焦げ臭いんだけど」
翔も顔をしかめながらキッチンの中へと入ってきた。
「ごめん、ハンバーグ焼くの失敗して焦げちゃった」
「え~っ!ハンバーグ食べられないのぉ?」
ガックリ肩を落とす翔。
いつもなら、こんな失敗しないのにな。
香奈から桜井君の話しを聞いて考え事をしていたからだな。
キッチンに置いてある時計で時間を確かめると夜の7時過ぎ。
今から材料を買いに行くのは無理だよね。
二人ともお腹を空かせているから、他に手早く作れるものはないかな?

