恋する5秒前~無愛想なキミと~


次の日。


目が覚めても昨日の出来事は鮮明に覚えていた。


生まれてから16年間。


初めて、男子から告白されたんだよね。しかも、学年一の王子様から。


瀬戸君の公開告白はある意味衝撃的だったなぁ。


「水野さん、俺、1年の時からずっと好きでしたっ。俺と付き合ってくださいっ!」


頭の中でまたリプレイが始まった。


あぁ、今日だけは学校へ行きたくないなぁ。仮病使って休んじゃおうかな?


でも、それはムリか。


未来たちをお迎えに行くんだから、誰かに見られたらずる休みだと思われちゃうな。


仕方ない。学校へ行こう。身仕度を整えると


「お母さん、行ってきます」


「あら、環。今日はやけに早いじゃないの」


「う~ん、ちょっと学校でやることがあるから早く行くね」


驚くお母さんに適当な理由をつけてごまかした。


いつもの時間より30分も早く家を出た。この時間ならまだ学校へ来ている生徒は少ないはず。


誰にも気づかれないうちにサッと教室の中へ入ってしまえばいいんだから。


自分自身に言い聞かせながら、黙々と学校までの道を歩いて行く。