「うわぁっ!」 「きゃあっ!」 な、なに……何かとぶつかった? 大きな衝撃を受けて、私の体は勢い良く弾き飛ばされた。 「い、痛っ」 「お、おい。大丈夫か?」 床の上に倒れ込んだ私の目の前に差し伸べてきた大きな手のひら。 「あっ、ありがとう。大丈夫っ」 見上げると視線の先には桜井君が私の様子を心配そうな顔をして伺っていた。 私、桜井君とぶつかったんだ。 彼の手に自分の手をそっと重ねた。