瀬戸君が出ていくと、わらわらと私の周りに人だかりができた。
「ねぇ、ねぇ。水野さん、すごいじゃない」
「瀬戸君と付き合うのぉ?」
「良いなぁ、私も王子様から求愛された~い」
「私だったら即OK出すよ」
「水野さん、断ったら許さないからっ」
クラス、いやその場に居合わせた女の子たちから矢継ぎ早に質問されてしまい、返答に困っていると。
「ちょっと、静かにしなさいよね。環、困ってるじゃない。もうすぐ授業が始まるから教室へ戻った方がいいわよ」
耳を塞ぎたくなるような大音量は香奈に一喝されてなんとか治まった。
学年一人気のある人から告白されたんだもの。
それは大騒ぎにもなるよね。
皆の羨望の眼差しと嫉妬の眼差しを一気に受けている私自身、これは何かの罰ゲームかドッキリなんじゃないかって疑っていたんだ。
だって、瀬戸君が私の事が好きだって言われてもピンとこないんだもの。
去年、同じクラスだったときは瀬戸君は香奈と気が合うのか仲が良くて二人で話しているのなんてしょっちゅうだったし。
さっきの香奈の独り言が妙に気になってて。
香奈は私に対して、なにか隠してるのかも。

