「あのね、ママからお手紙セットをもらってから、翔くんに頼んでお手紙を書いてもらったの」
未来は私の心を見透かしてるのか、聞かれもしないのに淡々と説明してくれた。
「そっか……分かったよ。このお手紙、桜井君へちゃんと渡すからね」
「うん。タマちゃん、約束だよ。指切りゲンマンしよう」
「はい。指切りゲンマン……」
互いの小指を絡ませてから指切りゲンマンをしたんだ。
約束したからには明日どうやってこの手紙を渡そう?
私はその夜、考え過ぎてなかなか寝つけなかった。
次の日。
朝からギラギラと照りつけるような日差しが降り注ぎ、梅雨明けも間近に迫っているかのよう。
でも、私の心は曇り空のようにスッキリとしない気分。
昨日、一晩考えて出した答えは、誰もいない時を見計らって渡すこと。
他の誰かに見られたりしたら変なウワサを立てられてもお互いに困るだけだもの。
後は誰もいないところで桜井君に手紙を渡すことができれば私の任務は終了するわけで。
頭の中で何度もシミュレーションしたけれど、現実はそう上手くはいかない。

