この建物の一番奥にある階段、通称C階段まで来ちゃった。
こんなところに岡ちゃんがいるはずもなく。
「ねぇ、桜井君。先生は?」
「いない」
「いないって……」
「俺が適当に言ったんだよ」
「そんな、私、瀬戸君と話してたんだよ。どうして?」
桜井君、嘘なんかついてまで私を連れ出すなんて、何を考えてるの?
「アイツと話してたからだろ」
「アイツって……瀬戸君のこと?」
不機嫌そうに話す桜井君はジリジリと迫ってきて私を壁際まで追い込んだ。
桜井君の顔がすぐ側までやって来て、私は思わず目をギュッとつぶってしまった。
「アイツとなに話してた?」
耳元で低く響く桜井君の声。

