「そっか……樹里さん達が教えてくるたんだ」
「ん、まあな。じゃなきゃ、俺もこんな所があるなんて知らなかったしな」
午前中に樹里さん達と会ったのは桜井君にここの場所を教えるためだったのかな?
しかも、偶然を装って。
こんな素敵な所を紹介してくれた樹里さん達に感謝しなくちゃ。
「せっかく来たんだし、もう少し奥まで行ってみるか?」
この場合は地元の人だけが知っている穴場の場所なのか、周りには殆ど人がいない。
ここに桜の山があることに気づいていない人が多いのかな?
「もっと近くで桜の花が見たいな」
1時間以上かけて、ここまで来たんだもの。思う存分お花見を満喫して帰りたいよ。
「この河津桜って色が濃くて花びらもたくさんあるよね」
「あぁ、そうだな。けど、俺。花のことはよく分かんねぇな」
苦笑いする桜井君。
「桜井君、名前に桜が入っているから少しは興味があるのかと思ってたよ」
私もそう言いながら笑う。
「俺、興味があるのは……」
桜井君がそう言って私の顎をクイッと上に向けて……。

