聞こえてくる周りの雑音。
「ねぇ、ねぇ。あの人かっこいい」
「うん、イケメンだよね!」
「でも、あの隣にいるの彼女かな?」
「えーっ!違うんじゃない?ただの友達かなにかでしょ」
「だよね、もし彼女だったら私……」
もう、慣れたよ。
桜井君と一緒にいると聞こえてくる声。
お互いに知らない者同士だからか心無い言葉が飛んでくる。
瀬戸君の時にも同じような経験をしたから、多少なりとも免疫は出来ていたけれど、好きな人の隣にいるだけで、囁かれる悪意の言葉にどれだけ傷ついてきたことか。
付き合って3ヶ月が過ぎてようやく慣れてきたからいいけれど。
そりゃあ、私だってあなた達の言うことも分かるよ。
かっこよくて優しい桜井君が、私の彼氏だなんて、いまだに夢を見ているんじゃないかと思っているよ。
見た目も冴えない地味な私と、背が高くて誰もが振り向くほど容姿端麗な桜井君。
私と桜井君はどこから見ても不釣り合いだって分かってる。
いつ、桜井君の口から別れの言葉が出てくるんじゃないかって毎日不安なんだ。
私に対して素っ気ない態度を取るのはどうしてなのか?
キスもしてくれないのはナゼなのか?
付き合いはじめて3ヶ月も経って幸せなはずなのに、不安な気持ちばかり膨らむのはどうしてなんだろう?
人を好きになって、こんなに悩むなんて思わなかったよ。
「……環?どうしたんだよ」
「へっ?」
桜井君が言いながら私の顔を覗き込んできた。
「へっ?じゃねぇよ、なんか難しい顔をしてるけど、具合いでも悪くなったか?」
そう言って苦笑いをする桜井君。

