グラウンドへ着くと
「あぁ、水野は今日の授業は見学か」
「はい」
咳き込む私を見て保健体育の先生は見学することを承諾してくれた。
近くにあった椅子に座り、授業の様子を眺めることに。
ぼんやりと眺めていると
「ここに座ってもいいかな?」
私に声を掛けてきた人が
「あっ、うん。どうぞ、座って」
「ありがとう、じゃあ……ここにしようかな」
空いていた椅子に座ってきたのは
「あっ!あのっ」
「あっ、あなたは花火大会の時の」
お互いに顔を合わせた途端にびっくりして声を上げたんだ。
私の隣に座ってきたのは、梁瀬樹里さんだった。
「あの、梁瀬樹里さんですよね?」
「うん、そうだけど。あなたは隼人と同じクラスの」
「水野環って言います」
「あぁ、そう。水野さんって言うのよね。隼人からいつも話を聞いてるから知ってるつもりでいたけど、こうして会うのは初めてだよね」
「うん、そうだよね。梁瀬さんは5組だったんだね」
樹里さんは笑って話してくれた。

