恋する5秒前~無愛想なキミと~


「おはよう、香奈」


「おはよう。環、もう大丈夫なの?」


「うん、熱はね、やっと下がったんだ」


「そっかぁ、けっこう大変だったんだね、環」


学校で倒れてから熱がなかなか下がらなくて2日間休んでしまった。


今日は週末の金曜日。


まだ少し体はダルいけど、食欲も復活してきたから、後は風邪が治るのを待つのみ。


「あの日はおばさんが迎えに来てくれんでしょ?」


香奈は私の前の席に座ると倒れた時の様子を聞いてきた。


「うん、そのまま病院へ連れてってくれたんだよ。診てもらったら風邪だったんだ」


「でも、ただの風邪で良かったじゃない?」


「そうだね、インフルエンザだったら、まだここへは来れなかったもの」


「そうだよね、インフルだったらまだ学校へは来れなかったよね」


私は頷きながら考えていた。


たぶん、保育園へ迎えに行ったときに風邪が移ったのかなぁ?


里美ちゃんが保育園でも何人かの子供達が風邪ひいて休んでるって言ってたから。


「あ、でも。今日の体育は見学しようと思ってるんだ。まだ熱が下がったばかりで持久走はツラいと思うから」


「そうか、今日の体育は持久走だったんだぁ、忘れてたよ。あ~あ、走るのやだなぁ。私も体育休もうかなぁ」


4時間目の体育の内容を聞いてがっくり肩を落とす香奈。


「香奈は走るの苦手だもんね、でも頑張って走ったら香奈の好きなジュースを私がおごってあげるから!」


「本当?環。それなら私、頑張って走るよ」


ジュースをおごると聞いて、にっこり笑う香奈。


香奈は直ぐに食べ物につられちゃうんだから。


まあ、でも……香奈に笑顔が戻ったからこれでいいかな?


時間はあっという間に過ぎて3時間目の数学の授業が終わったんだ。